| |
「 一個大喬ニ小喬 (姉は大喬 妹は小喬)
三春容貌四季嬌 (春の華のようで四季の美しさ)
五顔六色調七彩 (そのあでやかな美しい容貌)
難劃八九十分描 」 (絵筆ではとても描ききれない)
という詩を周瑜にしたためて贈った。
これは小喬の難題であった。
|
| |
小喬はこの一から十までを折りこんだ詩に、
逆から読んだ答詩を一晩のうちに作れと言う。
本当はそのようなことをしなくてもよかったのだが、
目の前の男が見かけだおしのただの武者だというのでは面白くない。
周瑜に会う前に用意していたこの詩を思いきって使うことにしたのだった。
|
周瑜ははじめ、驚いたが、
この美女がただの人形ではない事を知って興味を持った。
それまで彼に懸想する女性は多くいたが、
小喬のような魅力を持った女性は初めてだった。
そうして難題をもらいながらその夜は自宅へと戻っていった。
|
| |
しかし、なかなかにこれは難題であった。
答詩は十から始まるものを作らねば成らない。
気持ちはあせるばかりでなかなかいいものが浮かばない。
部屋の外にでて気分を変えようとしたとき、あまりの月の美しさに見とれてしまった。
その日は八月十九日。
ふと、回廊の横を見やると、見張りの者六人全員が眠りこけていた。そうしているうちに鶏が三度鳴くのが聞こえた。
周瑜ははっとひらめき、すぐに部屋にもどって詩を書き出した。
|
|
「 十九望月八成園 (十九夜の空の月は八分)
七人巳有六人眠 (七人のうち六人が眠り)
五更四点鶏三遍 (鶏が三度鳴いて五更を告げ)
ニ喬出題一夜難 」 (二喬の難題に苦労して1夜を明かした)
|
|
この詩はその朝小喬に届けられ、彼女はその出来映えにほれぼれとした。
「お姉樣、私、あの方の伴侶になりとうございます」
と言った。
それを孫策から聞いた周瑜は自分も小喬を娶りたいと申し出て、この縁談は成立した。
喜んだ孫策は
「では二人、一緒に婚儀をあげようではないか!これで晴れて俺達は本当の兄弟になるのだ」
と言って、たいそう喜んだ。
(終) 参考資料:武将紹介(周瑜と孫策)
|